エラコは青森太平洋岸、岩手、宮城地方に生息し、体は細かい砂粒をつけた管状の袋の中にはいっている。体長8cm程度で、体は黄褐色で、頭部にある褐紫色の鰓(えら) を動かして呼吸したり、餌を捕らえる。
当地では万能餌として用いられてきたが、扱いやすさからアオイソメを使う人が増えてきたようです。
釣具店によっては、水槽に海水を入れ、エラコを活かして販売しているところがあるが、このようなエラコを私は敬遠します。活きが悪く、伸びているような感じになっている。海水は入れず、エラコをスチロールの箱に入れて売っている店のエラコは新鮮で餌持ちがよい。
朝、エラコを仕入れてくるようだ。このような店では買ったとき新聞紙にくるんでくれる。新聞紙一枚でかなり餌の鮮度が違ってくる。
周りがみんなイソメを使っている中、イソメにすれた大物のアイナメが塩エラコで釣れたことが何度もあるので、たまにはエラコを使うこともオススメ。
塩エラコも釣り具やで購入できるが、若干、ゆですぎているので自分で塩エラコを作成し若干早めに湯から上げたほうが、いい感じの柔らかさの塩エラコができてよく釣れる。
■エラコの剥き方
- エラコの固まりから先端の黒い部分を持って、1本だけ、つぶさないように塊からほぐす。
- 図のように、先端部を左手の親指と人差し指でエラコの硬い頭をずらすように摘み、固定し、右手の親指と人差し指でしごくように、袋の根本の方に移動させる。
- 普通では、エラコを塊から剥がすとき、根本の部分は破れ、穴があき、自然と袋から出てくる。
- 穴があいてないときは、根本の部分を両手の指で引き裂くように持って、破く。
■冷凍エラコの作り方
エサを準備し、釣り場についたとき海の状態が悪く釣りにならない、引きがなく、早く切り上げた時など、エサがかなり残ることは意外に多いと思います。エラコの価格は最近高くなっているので、余ったエラコを捨てないで再利用する方法について述べます。蓋付きのアイスクリームの容器などを洗って使うと便利。
- ボールなどの大きめの容器を準備し、エラコをむく。
- エラコの量の2倍以上の水を鍋に入れて沸騰させる。大量の食塩を入れる。
- エラコの水を切った後、沸騰したお湯に入れ、再度沸騰するかその直前まで湯がく。時間は、エラコの量で差 が出る。かなり強烈な臭いが出る。感覚的には1~2分程度
- 素早く、網ざるに移し、水を切り、水道水をかける。うどんをゆでるのと同じように
- 冷めたところで、小分けにして、蓋付きのアイスクリームの容器などに入れ、エラコが水からでないようにたっぷり水を入れ、空気が入らないように蓋をする。その後冷凍する。こうすることによって長期間、乾燥せず保存する事が出来る。また、小分けすることによって必要なときに必要な量だけ解凍し使えるので無駄が出ない。
あまり煮すぎないことが肝心で、煮すぎるとエラコは干からびて使いものにならない。このエサを使った釣果は、生とほとんど差がない。ただし、夕方から夜にかけての釣りでは、生きたエラコは光るので差が出ると思われる。釣れるときの時間はごく短時間であり、手返しの早さが必要なとき、あるいは予備のエサとしてクーラーに入れて持ち歩く、また、船釣りの場合などは便利である。
■塩エラコの作り方
- ボールなどの大きめの容器を準備し、エラコをむく。
- エラコの量の2倍以上の水を鍋に入れて沸騰させる。大量の食塩を入れる。感覚的には水1Lに対して100g~200gくらい
- エラコの水を切った後、沸騰したお湯に入れ、再度沸騰するかその直前まで湯がく。時間は、エラコの量で差 が出る。かなり強烈な臭いが出る。感覚的には1~2分程度、ここで茹ですぎると匂いが全部ゆで汁に出て釣れなさそうな塩エラコになる
- 素早く、網ざるに移し、水を切る。
- 粗熱がとれて、水気が切れるまで待つ(3時間程度)
- ざるの中のエラコに大量の塩をかけます。おおよそ、半日位、日陰で乾かします。私はエビ塩などを使っています。
常温でもある程度保存が可能と言われていますが、私はジップロックに小分けにして冷凍して保管しています。
*冷凍エラコ、塩エラコは船釣り、投げ釣りやブラクリ釣りに使いますが、予備的な餌として使っています。時々海に様子を見に行くときは、釣り道具は勿論、この餌を持参します。ウミタナゴ釣りには生の餌を使います。 投げ釣りの場合は、生のエラコを使うときは、直径10センチ、深さ5センチ程度のタッパの容器に海水を入れ、当たりを待っている間にエラコを剥いておきます。
エラコ以外の釣りエサ
■サンマの切り身餌
夜釣りのハモ(穴子)釣り、ソイやドンコ狙いのブラクリ釣りにサバやサンマの切り身を使いますが、最近は、開きサンマを買ってきて、骨を取り、切り身にして塩をかけ冷蔵庫に保管して使っています。
このとき、まな板の上に新聞広告を何枚か置き、汚れたら1枚ずつ捨てて行きますと後の片付けが簡単で横着できます。魚をさばくときもこのような方法ですると簡単です。開きサンマは、生のサンマのように三枚におろす手間が省け、骨も簡単に外れます。また、安価で生ものよりは手が汚れず扱いやすいようです。
■冷凍のチカ
ソイ釣りの餌として冷凍のチカを使っています。長年の経験から餌としてはチカが最適と思っています。冷凍するとき、食塩水を入れたりいろいろ試みていますが、チカが乾燥してしまい、1年は持たないようです。冷凍庫のチカは1年ごとに交換しています。
■ビョンピョン虫
正式名は良く分かりませんが、タナゴ釣りに使います。砂浜の海岸に打ち上げられた昆布の下などにいます。大きめのビニール袋を準備し、昆布と昆布の下にある砂を一緒に両手ですくいビニールの袋に入れます。
昆布を振るように取り出しますとビョンピョン虫と砂が残りますので、サシを入れる容器にビョンピョン虫を入れます。タナゴの食いはよいようです。浮き釣りの場合、この餌ですとウキが横に移動する場合が多いのが特徴です。
エラコ餌の針への付け方
エラコは大きさに応じて付ける本数を変えて良い。大物釣りのタナゴの場合は頭を取って1本付ける。
ソイ釣りのチカの場合、頭に針を刺すと食い逃げされる場合が多く、中央部、背骨を囲むように二度刺ししている。サンマ、イカ、サバの切り身も同様にしている。食い逃げされることが少ない。
※この記事は小山信次氏の許諾を得て公開しています。
※著者が若干修正を加えています。
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